寝屋子-海から生まれた家族
2023年3月5日・3月14日
第5回【映像でめぐる自然と人びと、暮らしの記録】
ほとり座・富山民藝協会 共同企画
失われてしまった自然と深く共生するくらしには、美しい技術や儀礼がありました。便利な時代に生きる私たちですら、羨ましく感じるほどです。そんな日本と世界の人々の生活文化を記録した、貴重な映像作品の定期上映会を開催します。
〈日時〉
3/5(日)10:00〜
3/14(火)17:30〜
(両日シネマホール)
〈特別料金〉
一般 1,000円
20歳以下 500円
伊勢湾口に浮かぶ島、答志島(とうしじま)。この記録フィルムは、この島の答志集落に伝えられている日本で唯一の伝統的若者宿の制度(ここでは「寝屋子(ねやこ)」とよぶ)を、1980年3月から1994年秋までの14年余をかけて記録し、それをまとめたものである。伝統的な若者宿は、かつて日本の各地でみられる制度であった。しかし第二次世界大戦後、特に1960年代に急速に消滅していった。答志の寝屋子は、その激動する時代をくぐりぬけて生き続けている唯一のものである。 答志は、海に依存し、漁業に生きる町である。答志では、中学校を卒業した男子は、数人単位のグループをつくり、寝屋親を選び、自分たちの宿を引き受けてくれるように頼んでもらう。そして10数年、起居をともにする共同生活をし、最初の結婚者が出るとそれを機にその寝屋子組は解散する。血気盛んな時期の共同生活である。実の兄弟以上に強い人間的結びつきが寝屋子たちに生まれ、また寝屋親とは実の親とはまた違った強い結びつきが生まれる。そしてそれは生涯変わることはない。寝屋親には、たいてい30歳代後半から40歳代前半の人がなる。自分の両親や子どもがいる。子どもはまだ小さい。さらにそこに数人の他人の子どもを引き受けなければならないのである。
上映期間 | 2023年3月5日・3月14日 |
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上映時間 | 57分 |
監督 | 民族文化映像研究所 |
制作国 | 日本(1994年) |