第6回【映像でめぐる 自然と人びと、暮らしの記録】武州藍/奄美の泥染
2023年6月4日・6月13日
第6回【映像でめぐる 自然と人びと、暮らしの記録】
ほとり座・富山民藝協会 共同企画
失われてしまった自然と深く共生するくらしには、美しい技術や儀礼がありました。便利な時代に生きる私たちですら、羨ましく感じるほどです。そんな日本と世界の人々の生活文化を記録した、貴重な映像作品の定期上映会を開催します。
〈日時〉
6/4(日)10:00〜
6/13(火)12:30〜
〈場所〉
ほとり座シネマホール
〈特別料金〉
大人 1,500円
会員 1,200円
20歳以下 500円
『武州藍』
[1986年/43分]
武蔵国で藍作りが始まったのは江戸時代という。大消費地、江戸とのかかわりから産まれた産地であった。これはその藍栽培から染めまでの伝統的技術と習俗の記録である。正月二日、染物師と紺夜の家では、振袖の着物形に切った和紙を藍で染める初染めをする。仕事の無事と藍が健やかであれと祈る。
藍は生きものだという。機嫌の良し悪しがある。その藍を丹念にみながら染める技術には、職人のわざと祈りがこめられている。
『奄美の泥染』
[1989年/31分]
伝統的な衣食住には、それぞれの地域の風土や歴史が色濃く反映し、さらには地域性を超えた人間の資質の奥深さがにじみ出ている。この映画は、奄美の泥染(大島紬の別称)の製作工程を記録するとともに、その奥深いものを少しでも明らかにしようとしたものである。
大島紬は、基本的には絹の平織りの織物だが、それが泥染とよばれる技法で染められ、緻密なカスリ模様に仕上げられるところに特徴がある。テーチギ(シャリンバイ)の煮物と鉄分をふくんだ田の泥による染めの技法。奄美の泥染の名が、大島紬の別称でもあるゆえんである。