ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選『天使の影』

2024年3月30日~4月5日

37年の短い生涯で、強烈な個性に貫かれた40本以上もの作品を手がけ、ヴェンダース、ヘルツォークらと並んで<ニュー・ジャーマン・シネマ>の代表格と称されたライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督。
この度、ファスビンダー美学の極致とも言えるふたつの監督作、『不安は魂を食いつくす』『マリア・ブラウンの結婚』、そしてファスビンダーが原作・脚本・出演を務め、スイスの名匠ダニエル・シュミットが監督した『天使の影』の三作が劇場公開。(日替わり上映)


『天使の影』

とある都会の片隅に立つ娼婦リリーは、その繊細な性格から仲間内では浮いた存在。家に帰ればヒモ男ラウールに金をせびられる日々。そんなある日リリーは闇社会の大物であるユダヤ人に見初められるが、次第に破滅願望が強くなっていく。反ユダヤ的とされ非難を浴びながらも、今なお世界中で繰り返し上演されるファスビンダーの戯曲「ゴミ、都市そして死」を、親友でもある『ラ・パロマ』(74)、『ヘカテ』(82)のシュミット監督が映画化。主演はファスビンダーと一時期結婚していたイングリット・カーフェン。露骨な台詞が散りばめられ、絶望に満ちた物語ながら、名キャメラマン、レナート・ベルタが描き出す退廃美に溢れた映像は限りなく素晴らしく、全編に夢のような心地がたゆたう。


© RAINER WERNER FASSBINDER FOUNDATION


7月28日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次公開ロードショー
配給:マーメイドフィルム/コピアポア・フィルム

上映期間 2024年3月30日~4月5日
上映時間 1時間41分
監督 ダニエル・シュミット
出演 イングリット・カーフェン/ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー/クラウス・レーヴィッチュ/アードリアン・ホーヴェン
制作国 スイス
制作年 1976
公式サイト fassbinder-film-2023.jp