オリヴェイラ2025 没後10年 マノエル・ド・オリヴェイラ特集
2025年7月12日~7月18日

ポルトガルが世界に誇る巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ。
没後10年となる2025年、その多彩な作品群から珠玉の5作品を一挙上映!
唯一無二の生涯を送った、伝説的で魔術的な才能を発見/再発見する。
100歳を超えてもなお映画を作り続け、現役最高齢の監督として世界中で話題と尊敬を集めた、マノエル・ド・オリヴェイラ。「私はシネマトグラフの映画監督だ」「映画とは何か?それは幻影だ。」と語り、「シネマトグラフ」を発明したリュミエール兄弟や「映画の魔術師」ジョルジュ・メリエスなど最初期の映画との連なりを強く意識するオリヴェイラは、まさに映画史を体現する唯一無二の存在である。古典映画のような佇まいの中に、映画の未来を感じさせる瞬間の連続——。普遍性と先進性に溢れた5つの作品が、今、スクリーンに映し出される。
ラインナップ 5 作品がすべて⽇本初のデジタル・リマスター版での公開となる。内3作品は国内劇場初公開。
◆『訪問、あるいは記憶、そして告白』
1942 年に建てられて以来、およそ 40 年間オリヴェイラ⾃⾝が暮らしたポルトの家を舞台に、家族、そして⾃らの⼈⽣を辿る⾃伝的なドキュメンタリー作品。 『アブラハム渓⾕』の原作者でもあるポルトガル⽂学の巨匠アグスティーナ・ベッサ=ルイスがテキストを⼿がけている。⾃らの死後に発表するように⾔付けられ、2015 年にポルト、リスボン、カンヌ国際映画祭、⼭形国際ドキュメンタリー映画祭で上映された。
4K修復/国内劇場初公開
1982年|ポルトガル|1時間8分|スタンダード|オリジナル35mm
© Cineastas Associados, Instituto Portuges de Cinema
◆『カニバイシュ』
マルガリーダとアヴェレダ⼦爵の婚礼の夜。⼦爵は⾃らが⼈間でないことを告⽩する。それを聞いたマルガリーダは錯乱。 厳粛な雰囲気に満ちた貴族たちの晩餐会は、 驚愕の事態へと展開。⼈間、 動物、 機械などの境界を超越し、 奇想天外なユーモアが炸裂するオペラ・ブッファ(喜劇的なオペラ)映画の怪作。
1988年|フランス、西ドイツ、イタリア、スイス|1時間39分|スタンダード|オリジナル35mm
© Filmargem, La Sept, Gemini Films
◆『絶望の日』
19 世紀ポルトガル⽂学を代表する⼩説家カミーロ・カステロ・ブランコ。葛藤と苦悩の末、拳銃⾃殺を遂げるに⾄ったその最期の⽇々を、 調書、 新聞記事や⼿紙に取材し、その⽣家を舞台に描く。 ⾳楽にワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」と「バルジファル」を使⽤。 オリヴェイラ作品の中で最も厳格とも評される作品。
国内劇場初公開
1992年|ポルトガル、フランス|1時間17分|ヨーロッパ・ビスタ|オリジナル35mm
© Madragoa Films, Gemini Films
◆『アブラハム渓谷[完全版]』
フローベール「ボヴァリー夫⼈」をアグスティーナ・ベッサ=ルイスが翻案し、原作を執筆。⾔葉、映像、そして⾳楽それぞれが⾃律しながら精妙かつ鮮烈に調和する「⽂芸映画」の最⾼峰。男性的な世界/権⼒に詩的な想像⼒で抵抗する主⼈公エマの苦悩。ディレクターズ・カット版とも⾔える、本来の姿でスクリーンに蘇るオリヴェイラ映画の記念碑的作品。
2K修復/完全版は国内劇場初公開
1993年|フランス、ポルトガル、スイス|3時間23分|ヨーロッパ・ビスタ|オリジナル35mm
© Madragoa Filmes, Gemini Films, Light Night
◆『夜顔』
ルイス・ブニュエル監督作『昼顔』(1967)の登場⼈物たちの 38 年後を描く。パリで偶然再会したアンリとセヴリーヌ。アンリは真実を打ち明けるという⼝実でセヴリーヌを⾷事に誘う…。過去をめぐり⽴ち上がる、欲望に満ちた謎。ミシェル・ピコリが再び「アンリ」役で登場。カトリーヌ・ドヌーヴが演じた「セヴリーヌ」にはビュル・オジエが扮する。
2006年|ポルトガル、フランス|1時間9分|ヨーロッパ・ビスタ|オリジナル35mm
© Filbox Produções, Les Films d’ici
上映期間 | 2025年7月12日~7月18日 |
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監督 | マノエル・ド・オリヴェイラ |
公式サイト | https://www.oliveira2025.jp/ |