ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ

2021年10月2日〜10月22日(日替わり上映)

〈リバー・オブ・グラス〉
[1994/アメリカ/1時間16分] 
「ウェンディ&ルーシー」のケリー・ライカート監督が1994年に発表した長編デビュー作。南フロリダ郊外の平屋建ての家で暮らす30歳の主婦コージーは、退屈な毎日に不満を募らせていた。空想癖のある彼女は、人のいい夫婦が大きなステーションワゴンでやって来て自分の子どもたちを引き取っていくこと、そして彼女自身は新しい人生を始めることを、延々と夢見ている。コージーの父ライダーはマイアミ警察署の刑事だが、酒を飲みすぎて銃をどこかに置き忘れてしまい、見つかるまで停職を食らっている。ある日、地元のバーへ出かけたコージーは、うだつの上がらない男リーと出会い親しくなるが……。

〈オールド・ジョイ〉
[2006/アメリカ/1時間13分] 
長編デビュー作「リバー・オブ・グラス」で高く評価されたケリー・ライカート監督が、ジョナサン・レイモンドの短編小説を基に撮りあげた長編第2作。妊娠中の妻と故郷で暮らすマークのもとに、街に戻って来た旧友カートから電話が掛かってくる。久々に再会した2人は、旧交を温めるべく山奥へキャンプ旅行に出かけるが……。「パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー」のダニエル・ロンドンがマーク、シンガーソングライターのボニー・プリンス・ビリーことウィル・オールダムがカートを演じた。

〈ウェンディ&ルーシー〉
[2008/アメリカ/1時間20分] 
「マリリン 7日間の恋」のミシェル・ウィリアムズが主演を務め、愛犬とともに旅をする女性が思わぬ苦難に直面する姿を描いた人間ドラマ。ウェンディは仕事を求め、愛犬ルーシーを連れて車でアラスカを目指していたが、途中のオレゴンで車が故障し足止めされてしまう。ルーシーのドッグフードも底をつき、旅費を少しでも残しておこうと考えたウェンディはスーパーマーケットで万引きをする。店員に見つかって警察に連行されたウェンディは、長時間の勾留の末にようやく釈放されるが、店の外に繋いでおいたルーシーの姿は消えていた。野宿を続けながら必死にルーシーを探すウェンディだったが……。

〈ミークス・カットオフ〉
[2008/アメリカ/1時間43分] 
「ウェンディ&ルーシー」の監督ケリー・ライカートと主演ミシェル・ウィリアムズが再タッグを組み、西部開拓時代のアメリカを舞台に描いたドラマ。1845年、オレゴン州。移住の旅に出たテスロー夫妻ら3家族は、道を熟知しているという男スティーブン・ミークにガイドを依頼する。旅は2週間で終わるはずだったが、5週間が経過しても目的地にたどり着かず、道程は過酷さを増すばかり。3家族の男たちは、ミークを疑い始めていた。そんな中、一行の前にひとりの原住民が姿を現す。共演に「スター・トレック」のブルース・グリーンウッド、「アルマゲドン」のウィル・パットン、「ルビー・スパークス」のゾーイ・カザン、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・ダノ。

上映期間 2021年10月2日〜10月22日(日替わり上映)
公式サイト https://www.kelly2021.jp