生誕 80 周年記念 クロード・ミレール映画祭

20223年1月21日〜1月27日(日替わり上映)

ロベール・ブレッソン、ジャン=リュック・ゴダール、ジャック・ドゥミ、フランワ・トリュフォーら映画史に燦然と輝くフランス映画の巨匠たちの助監督や製作主任としてキャリアをスタートさせたクロード・ミレール。監督デビュー後、圧倒的な手腕を示し、ヌーヴェル・ヴァーグの正統な後継者と呼ばれた彼は、巧みな演出術で、俳優たちの魅力を最大限に引き出した。シャルロット・ゲンズブールは彼に見出され名優の第一歩を踏み出し、ミシェル・セロー、リュディビーヌ・サニエなどは彼の演出によって新たな境地を切り拓いた。
ミレールが好んで撮ったのは、繊細でありながらエネルギッシュに生きる若者の心情や、人間の心に潜む理屈では割り切れない複雑な感情。周りとの関係性や状況によって揺れ動く人間の心理を独自の作家性で描きながら、観客との共感を常に意識し映画を作り上げてきた。生誕80周年を迎える本年、本邦劇場初公開作品を含む伝説の名作たちをHDリマスター版で一挙公開!

『なまいきシャルロット』
[1985年/フランス/ 1時間36分]
出演:シャルロット・ゲンズブール/ジャン=クロード・ブリアリ/ベルナデット・ラフォン

シャルロットは少し早熟な13歳。父と兄と3人で暮らしている。ここのところ学校でも家でも自分のことを分かってもらえず、いつも苛立っている。母親がわりのイレーヌにもなまいきな口をきき、唯一の友だちの幼いルルにもきつく当たってしまう。そんなある日、シャルロットは、自分と同じ歳の天才ピアニスト・クララの演奏ビデオを観て、すっかり魅了される。そして彼女がコンサートのため町に滞在していることを知り、なんとか彼女に近づくことに成功する。シャルロットは、お金も才能も全てを手にしたクララに付いて町を出て自由になることを夢見るが・・・。


『勾留』
[1981年/フランス/1時間24分]
出演:リノ・ヴァンチュラ/ミシェル・セロー/ロミー・シュナイダー

大晦日の夜、ガリアン刑事は連続して起こった少女暴行殺人事件の容疑者として公証人マルティノーの取り調べを始める。マルティノは2件目の事件の第一発見者だった。ガリアンは刑事の勘でマルティノーが犯人だと確信し、決定的な証拠が無いままあの手この手で追い詰めようとするが、マルティノーは彼の質問を巧みにかわしていく。ガリアンから家族への連絡を求められても「迷惑をかけたくない」と頑なに拒絶 するマルティノ。時が過ぎていく中、マルティノーの妻シャンタルが署に現れ、ガリアンに衝撃の告白をする。しかしそれは思いもよらない幕引きへの予兆に過ぎなかった。


『伴奏者』
[1992年/フランス/1時間50分]
出演:ロマーヌ・ボーランジェ/リシャール・ボーランジェ/エレナ・サフォノヴァ

1942年、ドイツ占領下のパリ。20歳のソフィーは、母と二人暮らしの貧しいピアニストで、人生に小さな期待と大きな諦めを抱いて生きている。彼女は憧れの世界的オペラ歌手イレーヌのピアノ伴奏者となるチャンスを掴む。莫大な財を築いた夫シャルルとイレーヌは戦時下でも豪勢な生活をしているが、シャルルが愛する妻に尽くす一方、イレーヌには別に愛する人がいた。ソフィーは、お金、名声、愛、全てを手にした美しいイレーヌを慕いながら、同時に憎しみを持つ。ドイツや親ドイツ派との関係に嫌気がさした彼らはフランスを離れることを決心する。ソフィーは親元を離れ初めて外の世界へと旅立つが...。


『ある秘密』
[2007年/フランス/1時間47分]
出演:セシル・ドゥ・フランス/リュディヴィーヌ・サニエ/マチュー・アマルリック

パリに住む、あるユダヤ人一家。内気で病弱な少年フランソワは、父マキシムから愛されていないと感じていた。そんなある日、フランソワは屋根裏部屋で古いぬいぐるみを見つけたことをきっかけに、両親の知られざる過去を知る。第二次世界大戦下、 父は母タニアと一緒になる前、アンナという女性と結婚し息子をもうけていた。しかしマキシムは結婚式で妻の兄嫁タニアに出会い心を惹かれてしまい、それを知ったアンナは精神が不安定になっていく。ナチスのユダヤ人迫害が激しさを増していく中、 彼らの一族や友人たちはパリを離れるが...

上映期間 20223年1月21日〜1月27日(日替わり上映)
監督 クロード・ミレール
公式サイト https://claudemiller80.com