太陽のめざめ

2017年1月5日(木)

LA TÊTE HAUTE de Emmanielle BercotLES FILMS DU KIOSQUE

彼女を見ていると、年を重ねることが楽しみになる──世界中の女性にそんな勇気と喜びを与えてくれる大女優、カトリーヌ・ドヌーヴ。今も愛される名作『シェルブールの雨傘』から半世紀にわたって第一線で活躍し、淑女から悪女までどんな難役も魅惑的に演じてきた。大スターとなってからも、才気あふれる若手監督の作品に積極的に参加。その映画への深い愛に敬意を表して、2008年にはカンヌ国際映画祭から特別賞が捧げられた。奇跡の美貌は姿かたちの美しさから、内面からも輝く存在の美しさへと昇華し、今では彼女の生き方そのものが、国境や世代を超えたすべての女性たちの永遠の憧れとなっている。
そんなドヌーヴが、次はどんな作品を選ぶのかと全世界が注目するなか、女性判事と指導員の誠実で力強い愛によって、学校からも社会からも脱落した少年が遂に自分の人生を見出すまでを描く、まさに名優の偉大なキャリアの円熟期にふさわしい感動のヒューマンドラマが完成した。
監督・脚本を務めるのは、ドヌーヴが「素晴らしい才能。彼女の書く脚本は1行たりとも直す必要がない」と称えるエマニュエル・ベルコ。本作は2015年の第68回カンヌ国際映画祭でオープニング作品に選ばれたのだが、女性監督の作品がカンヌの開幕を飾るのは、28年ぶり史上2度目の快挙となった。
主演映画の日本公開は『しあわせの雨傘』以来6年ぶりとなる、ドヌーヴ会心の最新作が、いよいよ登場する。