『君がいる、いた、そんな時』舞台挨拶〈詳細〉

2020年11月28日(土)

『君がいる、いた、そんな時』
迫田公介監督舞台挨拶が決定!

2020/11/28(土)
上映:12:30~ 舞台挨拶:上映後

会場/ほとり座 シネマホール

 

〈作品紹介〉

2人の小学生と彼らに慕われる図書室司書の女性が不器用に生きる姿を描いた、広島県呉市でオールロケを敢行したハートウォーミングドラマ。小学6年生の岸本正哉はフィリピン人と日本人の両親のもとに生まれ、クラスのいじめっ子たちから「ガイジン」などとちょっかいを受けている。正哉はその状況をしかたないと諦め、イヤではありながら抵抗することなくやり過ごしていた。そんな正哉のよりどころは、やさしく見守ってくれる新任司書の山崎祥子と過ごす図書室だけだった。同じクラスの放送委員の香山涼太は「DJカヤマ」と名乗り校内放送をしていたが、いつも空回りしてクラスの中でも浮いている存在だった。涼太は自身が企画するある特別放送に2人を巻き込もうとする。正哉は乗り気でなかったが、祥子は涼太の企画を手伝うという。そんな祥子にはある秘密があった。監督は初の長編監督作品となる呉市出身の迫田公介。

 

監督・脚本・プロデューサー・編集
迫田公介(さこた こうすけ)

1977年、広島県呉市に生まれる。 2004年ニューシネマワークショップ在学中に短編映画『この窓、むこうがわ』を監督する。
繊細な心の揺れを表情に引き出す演出と独特の映像感覚が評価され、続いて制作された『の、なかに』(05)と共に国内外の映画祭に入選、招待上映される。長編映画準備中に鬱病となる。3年間療養、入退院を経て、映画『父の愛人』にて復帰。3ヵ国12の映画祭にて招待上映を受け、またインド、アメリカの映画祭で賞を受ける。同作品は、中編映画ながらも劇場公開され、話題を呼んだ。
2014年より広島県呉市在住。本作が長編初作品となる。

《Filmography》

『この窓、むこうがわ』(2004)*短編(16mm/19分)
『の、なかに』(2005)*短編(20分)
『父の愛人』(2012)*中編(38分)ムンバイ・サードアイアジア映画祭(インド)審査員特別賞、ビバリー映画祭(アメリカ)ベストアクトレス賞

《監督からのメッセージ》

生きるのが下手で不器用な監督だと、ある映画監督に言われたことがある。信じる力が人一倍あって、それなのに信じない心も人一倍ある。同時に存在していて、だからとても危うくて、そしてそれが君の作家性だと。映画を撮りました。ハーフの男の子、みんなに馬鹿にされてる男の子、そしてそんなふたりの男の子たちに慕われる図書室司書の祥子。
生きるのが下手で不器用な3人。そんな3人を僕が描きました。生きるのが下手で不器用な僕が。ふたりの男の子は、うそをついていました。そして秘密を抱えた祥子。ふたりの男の子は、世界中にうそをつきました。秘密を抱えた祥子を救う為に。
生きるのが下手で不器用_。実はどんなひとにもそんな面があって、もしかすると苦しくなったりしんどくなったりしているのかもしれない。僕は伝えたい。そして分かり合いたい。この映画を観てくれる人々と。「世界中にうそをつく。大切な人の為に。」もしかすると間違っているかも知れないこと。だけど救いになると信じること。
3人のその孤独が、その小さかった力が合わさり、温かくひとつになり得たように、この映画を観てくださる方々の、その心の中にある切実さに、少しでも合わさりますように。
願い、祈りを込めた映画。是非ご覧いただけたら幸いです。