八朔踊りとメンドン・甑島のトシドン
2022年9月12日
第3回【映像でめぐる自然と人びと、暮らしの記録】
ほとり座・富山民藝協会 共同企画
失われてしまった自然と深く共生するくらしには、美しい技術や儀礼がありました。便利な時代に生きる私たちですら、羨ましく感じるほどです。そんな日本と世界の人々の生活文化を記録した、貴重な映像作品の定期上映会を開催します。
〈日時〉
9/4(日)10:00〜(シネマホール)
9/12(月)16:30〜(ライブホール)
〈特別料金〉
一般 1,000円
20歳以下 500円
『八朔踊りとメンドン』
[1983/日本/29分]
薩摩半島の南にある硫黄島。ここでは八朔の日(旧暦8月1日)に、八朔踊りが行われる。この行事にはメンドンとよばれる異様な形相の面が登場し、災いを祓う。八朔の日を前に、メンドンの面作りが始まる。八朔の朝、各家では神棚にサカキを供え、硫黄権現の境内にある氏神へ供え物をする。八朔踊りを踊るのは、14才以上の男子である。踊りの途中、突然メンドンが飛び出してくる。一番メンは踊り手のまわりを3回まわって戻る。二番メンが飛び出す。柴で踊り手や村人を叩いてまわる。次々メンドンが飛び出し、叩き歩く。叩くことで厄災が祓われるのだという。
『甑島のトシドシ』
[1979/日本/30分]
薩摩半島の西、東シナ海にある下甑(しもこしき)島では、毎年大晦日の晩、3才から7才までの子どものいる家を、異様な扮装の神が訪れるトシドンの行事が行われる。トシドンは正月の来訪神である。長い三角鼻の恐ろしい形相の面を被り、シュロや藁で作った蓑をつけ、手甲などで素肌を隠している。伝承によれば、大晦日の晩、首のない馬に乗って天上から下りてきて、子どもたちに新しい年のための新しい魂(年魂-としだま)を与え、天上に帰っていくという。